調査の概要

調査の目的

主治医には直接言いにくい、本音に近い患者・家族の皆さんの意識をアンケート調査によって明らかにし、精神科診察の質の向上に資することが目的です。

調査の方法

精神科医療を利用するご本人とそのご家族を対象とし、郵送自記式アンケート調査を行います。また、ウェブサイト上でも同じ内容の調査を実施します(2015年7月22日に回答受付を終了しました)。

アンケート調査では、医師・患者関係に影響すると考えられる要因について質問します。質問は、下記の通り大きく3つの内容から構成されます。

  1. 医師の医学能力に関する要因
  2. 医師の態度・言動に関する要因
  3. 医師・患者間の感情・コミュニケーションに関する要因

集められた回答の分析結果は、学会や論文等で発表します。

調査のスケジュール

下図のようなスケジュールを予定しています。

 

その他の重要なこと 

  •  アンケート調査にご協力いただく皆さまの負担は、回答に要する時間のみで、郵送に要する費用は研究者の負担です。また、調査協力に対する謝礼等はございません。
  • 回答は自由意志にもとづきます。回答していただかない場合も、不利益になることは一切ありません。
  • 質問票には氏名・住所などを書く必要はなく、また結果については統計資料として取りまとめ個人を特定できないようにします。
  • この調査にかかる費用については、助成金等からの支出はなく、全て研究者個人の支出によってまかなわれます。
  • この調査は、日本疫学会倫理審査委員会(番号:15001)の承認を得て実施されます。

アンケートにご協力いただいた皆様へ(追加のご説明) 

皆様のご協力により実施しましたアンケート調査は、約7000通というたくさんの回答をいただきました。ご協力に、心より御礼申し上げます。

今後の解析方法および共同研究者の先生方のお名前について、具体的に皆さまへ説明をさせていただきます。なお上記の件については、日本疫学会で変更申請の承認、及び東京大学倫理委員会での承認を受けております。

〇解析方法について

7000通の貴重な自由記述の内容を活かすことは、今後の精神医療にとって有益であると考えますが、これらをすべて入力し解析することは従来の方法では困難です。そこで、現在取り組みが行われている自然言語処理というコンピューターによる解析を行う方針です。この方法では、回答者の口語体に近い記述でもコンピューター処理をして統計に反映できます。

解析には専門的な知識・技術がいるため、分担研究者として自然言語処理や質的研究の専門家が参加することが必要になりました。

〇共同研究者一覧

金原明子  東京大学大学院医学系研究科 ユースメンタルヘルス講座
熊倉陽介  東京大学大学院医学系研究科 精神保健学
笠井清登  東京大学大学院医学系研究科 精神医学
池淵恵美  帝京大学医学部 精神神経科学講座
福田正人  群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学教室
荒牧栄治  奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究推進センター
熊谷晋一郎 東京大学先端科学技術研究センター

今後、上記の先生方と共に、皆様からいただいた回答を最大限に活かせるように解析を行ってまいります。結果が出るのは来年春以降となりますが、協力団体などを通してご報告させていただきます。

なお、今回の調査ではお名前などの個人情報をいただいておらず、同意の撤回のお申し出をいただいても、どなたが回答されたものか特定できませんので、撤回に応じることができません。
私は、家族・当事者としての経験をした者として皆様と同じ気持ちで解析に加わり、研究の行方をしっかり見届けて参ります。
どうぞ、ご理解・ご了承のほど、よろしくお願いいたします。

これからも、皆様のご指導やご意見をどうぞよろしくお願いいたします。

やきつべの径診療所  夏苅郁子